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オフィス移転監査士・栗原 雅

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栗原 雅
オフィス移転監査士・栗原 雅
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あなたの知らないオフィス引越の実態!?

移転したオフィスに満足できたのは4割弱!

6割の企業が移転した新事務所に満足をしていない。これが、オフィス移転の実態です。
オフィス移転の計画がいかにずさんに考えられ、業者によって遂行されているのかがわかります。満足できていない原因は企業により様々ですが、立地条件やビル設備、事務所の広さなどに不満を持たれているようです。多額の時間やお金を投入して、どうしてこのようなことが起きてしまうのでしょうか。
要因としては次のような2つの要素が大きく影響しています。

■ 高度専門化しているオフィス移転

オフィス移転は「時間・コスト・品質」の3つを要求通りに達成しなければならないプロジェクトです。
管理しなければならないタスクは、経過と共に変化して、さらに新たなタスクを生み出します。まるで生き物のように変化するオフィス移転を成功させるには、高度な専門性と豊かな経験が必要なのです。

賃貸のオフィスを選ぶ際にレイアウトを書いてから、新事務所に入居することを決める場合があります。スペース的に問題がなくてもその判断をするのは少し待つべきです。きつめに押し込んだオフィスレイアウトは、入居してから空調制御の許容容量を超えて、夏場に蒸し風呂状態になる可能性があるからです。
人もOA機器も熱を発生させており、密集したm2当たりの熱量が許容範囲を超えると設定温度より大幅に高い温度になってしまうのです。もう少し広いオフィスにするかビル空調設備の調整や変更が可能かどうか、を契約前に確認する必要があります。

もし冬場に移転したなら、この事実が発覚するのは半年後の夏場になります。今さらビルオーナーや不動産仲介業者に文句を言っても後の祭りです。

■ オフィス移転の担当者の知識不足

中小企業でオフィス作りを専門に担当する部署を持つ企業は非常に少ないと思います。オフィスの引越しを行う際には、役員、総務系を中心に、兼任で移転を担当するのが一般的ではないでしょうか。
一度担当に任命されたら、何としてでも成功させなければならないオフィスの引越しは、担当者にとって非常に難しい業務になります。素人の担当者に多いのが、やたらと業者から見積りをとって一番安い業者へ依頼するケース。一見当たり前の行為ですが、成功するとは限りません。

何故なら安いには理由があるからです。見積りや図面には都合が良いことしか業者は書きません。経験が少ない担当者がそれを見抜くことができるでしょうか。たいていの場合は難しいと思います。膨大な量の見積り項目を比較検討して、品質とコストと納期を総合的に判断して業者を決めることは至難の業になります。

中には納品された商品がランクの低い商品に入れ替わっているなんてことも。がんばるだけではオフィス移転は成功しません。十分な経験を積んだ人が移転を担当するか、的確な選定能力を持ち合わせたパートナーの助けを借りることをお勧めします。
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賃貸オフィスを仲介する不動産業者とビルオーナーについて

(1) 不動産仲介業者はこんな会社です。

良い物件へ移転するには、情報を持っている業者が必要です。また数多くある要望を調整してもらえる人も必要です。やっぱり不動産仲介業者は重要なのです。
支払いする仲介手数料は1ヶ月の賃料が業界の基準のようです。仲介業者は更にビル側から1ヶ月の賃料をもらいます。中にはお客様からの仲介手数料をもらわないで、ビルからの仲介手数料だけをもらう業者もあるようです。どちらが良いかは一概に言えませんが、その時の状況に合った業者を選定してください。

(2) 不動産業者の見分け方

不動産業者を特徴で大きく分けると、3つのタイプに分類できます。

  【タイプ−A】 オフィス仲介専門の不動産会社で、物件情報を豊富にもっています。
  【タイプ−B】 コンサルタント系の不動産会社で、ビルとの交渉に強みを発揮します。
  【タイプ−C】 例外もありますが、仲介も売買もという不動産屋や地元の不動産屋は、
            オフィス仲介においてはお勧めできません。

事務所の移転までに時間があるなら【タイプ−B】がお勧めです。ファシリティマネジメントの観点から事務所を捉え、社外、社内の利害関係者との調整を図り、賃料や入居条件の要求を満たしてもらえます。タイプ−Aの業者でもしっかりコンサルタントをしてくれる会社もありますが、担当者の個人差が出やすいので気を付けてください。

一般的には最新情報も含め豊富に情報をもっている【タイプ−A】の業者が良いでしょう。一般に公表されている空き情報は、不動産業者によって大きくは変わらないようです。中にはその業者しか持っていない情報もあります。ここで気を付けていただきたいのが、不動産業者、担当者によってビルとの入居条件が異なることがあります。業者が大手だからとか、小さいからとかはあまり関係ありません。その会社の方針や担当者の意欲、能力によって差が生じるのが賃貸オフィスの仲介です。まずは担当者との会話の中で、どこまで責任をもって、最後まで一生懸命にやってくれるのかをしっかり見極めましょう。

【タイプ−C】の場合、その多くが専門性に欠けている業者のようです。メリットは非常に少ないと思います。中には例外もあり、地域密着型で売買も仲介もしており、ビルのリノベーションや不動産ファンドをトータル的にサポートしている不動産会社もあります。 

この他のタイプとしては、内装や引越しのプロジェクト代行などとオフィス仲介を絡めた会社も増えてきております。引越業務をトータル的に軽減したいのであればお勧めいたします。

(3) ビルオーナーのここはチェック。

ビルオーナーの財務状況を把握しておきましょう。

賃貸借契約では、賃料1年程度の保証金をビルオーナーに預けます。もしビルオーナー会社が倒産したら保証金は戻ってこない可能性が高いといえます。必ずビルオーナーの与信審査を実施してください。また定期的な審査も忘れずに。

ビル指定工事と内装制限はイニシャルコストのポイントです。

賃貸借契約書に記載がある指定業者とは、一般にビルを維持保全するために不特定多数の業者にビルをいじらせないための内容になっております。指定にされているケースが多いのは消防設備、空調設備、電気設備などです。
最近では大手ビルオーナー会社のほとんどが、躯体に触れる内装工事も含め指定業者にしています。中には引越までも指定にしているビルもありました。指定業者の場合、ゼネコンが頭に立って全体統括します。下にはサブコンや工務店が入り、商流が長くなっています。対応にも時間がかかり、金額も高い傾向にあるようです。現状回復でも同様のことが言えますので、金額の査定はしっかりしてください。

またビルにはそれぞれ内装の制限があります。一般的な表面の内装は不燃認定程度で済みますが、サーバー室の空調設備や床荷重などの見た目にはわかりにくい問題については、後々発覚することが多く、コストが上がる大きな要因になっています。
消防法上の内装制限も同様に考えてください。想定外のコストを掛けないためには、契約前からオフィスレイアウト、内装をしっかり検討しておくことお勧めします。

オフィス運用コストはビルオーナーとしっかり調整しておきましょう。

賃貸オフィスの賃料交渉をしても共益費や空調費などを交渉することは余りないようです。運用コストとして意外に大きいのが共益費や空調費などで、オフィス運用ルールによってコストへダイレクトに反映してきます。
フロアで一括管理の空調では深夜までの残業が多いと大幅なコスト増につながります。個別空調であれば残業が多い部署を固めて、個別に空調をかけておけばフロア一括空調より安く上がります。
このような対処方法がない場合は空調費の交渉を契約前にしっかりしておきましょう。ビルオーナーとの調整には運用面を把握して、コストまで落とし込んだ状態で挑むと良いでしょう。
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オフィス作りをする業者との折衝ポイント

(1) オフィス家具メーカの原価は皆さんが想像している以上に安いことをごぞんじですか?

必ず3社からは見積もりを取りましょう。
また必ず見積もり合わせをしていることを、メーカに伝えましょう!

(2) 内装施工 組立工事等の見積もりに出てくる、“一式”というのは疑ってかかりましょう。

本当は詳細な見積もりが必要なところを、“一式”と記述していることがあります。
必ず業者さんに確認しましょう

(3) 引越し屋さんの良し悪しで、移転自体の成功、失敗が決まります。

価格も大事ですが、ここで予算を渋ると、慣れていないアルバイト作業員や荷物をなくす、壊す等の問題が多発します。担当営業、責任者とは事前に面会し、実績、雰囲気等は掴んでおきましょう

(4) 移転先の設備工事などは、指定業者がいる場合があります。

ビルの運営上どうしても使わなければならないこともありますが、1度見積もり合わせしても良いかと思います。
指定をいいことに高い金額で見積もりしてくる場合もあります。

(5) 通信、IT設備業者は障害対応が問題です。

事務所の移転後オープン初日に電話やネットワークがつながない話はよく耳にします。
この場合どこに問題があるのかをはっきりさせる障害の切り分けが重要になります。インフラなのか、機器なのかを早急に把握して、問題の箇所を工事した業者に対応させて復旧させなければなりません。
できれば通信・IT系を一括でできる業者に任せたほうが、障害復旧は早くなります。安さだけで業者を選ぶと商売の機会を逃して、大きな損失なんてことも。